
NPO法人dattochi home(ダットッチホーム)は、八王子の商店街「夢五房」の一角(104号室)を運営しています。
その一環で商工会議所よりPCを支給頂き、地域交流となるような活動に色々と取り組んでいます。
2021年には「キッズユーチューバー体験講座」を開催。
“自分の想いを誰かに伝える体験を”と銘打ち、子どもたちに動画作りを通して、自分の好きなものやハマっているものを表現する経験の場を提供させて頂きました。
今回は八王子商店街×動画作成といえばこの方!!! ということで、満を持してご登場いただきました、
中野智行さん。

youtubeチャンネル「八王子国の歩き方」は、登録者が一人の所からスタートし、今では1.5万人!
なんといっても、その動画のクオリティーやユーモア、観ている人を引き込む語り口などが素晴らしく、
一度見たらなんだかファンになってしまった…!!という方が続出しています。
今回、子ども達に限らず八王子に住まう様々な方に動画作りを通して自分の想いを発信していく活動の一助になればという想いに賛同して頂き、本業の他講演活動などでもお忙しい中お引き受け頂きました!!(本当にありがとうございます!!)
動画を作りたい youtubeを始めたい
当然のように、告知後あっという間に席が埋まったこちらの講座

参加者の皆様の目的は様々でしたが
想いを形にしたい!
という部分では皆様通じ合うものがあるように思いました。
ちなみに、参加動機としては
・自分のソーイングの動画を作成して、型紙とともに販売してみたい
・自作曲に映像をつけて、SNSなどでもっとたくさんの人にリーチさせてみたい
・子供向けプログラミングなどの副業を考えていて、動画も知りたかった
などなど、どれも、なるほどなあと興味深いものばかりでした。
又、あまり有名ではない病気の後遺症で普段苦労しているので、その情報発信をしていくことで同じ仲間を見つけたり、気持ちを共有しあうことで滅入りがちな日々をもっと前向きに過ごしたい
とおっしゃっている方もいらっしゃいました。

NPO法人が動画制作?
という部分で、なかなか理解を頂くのが難しいのかなと感じる事などもあるのですが
お一人お一人の思いを伺っていると、こんな風に商店街の一角にそれぞれが「やってみたい」気持ちを持ち寄って、大人になって新しい事にチャレンジする場を提供できている事は、少なからず意味のあることなのではと思いました。
個人的には、なにをやっているのか結局良く分からない「地域交流拠点」よりも、
こうやって明確なメリットを提示して、しっかりと人が集まってくる「地域にある場所」を続けていくことで、
この拠点が、結果的に本来の意味を成すのではないかとも思っています。
特に動画作成は、初めてだとつまづく箇所がとても多く、編集の実際のテクニックを見る事で、その人本人の動画を解析する力なども急に上がるといいますか、
今まで気に留めず見ていたニュースやCMなどの映像理解の解像度が少し上がって、ワクワクするような気持ちを持てるので、すごく良いのではないかとも思っています。
そして、言い過ぎかもしれないですが、ワクワクしている大人を増やせる事は、その周りにいる大人や子どもにも、前向きな気分をおすそわけできる効果があるのではないかとも思っています♪

1秒を30個に分ける
実際の講義内容を少しご紹介します。
第一回目は「八王子国の歩き方」ファンの方ならおなじみ、
「東京の片隅八王子からリアルな情報をダダ流し… わたくし、八王子国の歩き方ナビゲーター、中野智行54歳!!!」
とナレーションの実演から始まり、歓声が上がりました。
「SNSとは。自己承認欲求とは」という中野さんの鋭い分析の解説もしっかりと伝えて頂きました。
今回の参加者の方々のほとんどは、動画ソフト自体初めてという事もあり、初歩的な内容からスタート。
と言っても、そこは動画編集オタクの中野さん。
いきなり動画素材をふたつ重ねて、モノトーンからカラーへと次第に変換する方法などをご紹介くださり、
参加者の方が必死でついていく場面も。
「分からない~!」と言いながらも、みなさん一気にテンションが上がり楽しそうな様子が印象的でした。
第二回目の講義では、文字が動くアニメーションを体験。
1秒を30コマに分けた時間軸に、文字がどう動くかの設定をしていきます。
音に合わせて文字を動かすだけでなく、中野さんが普段動画作成時に気を付けている工夫も一緒に教えて頂きました。
慣れない感覚に、初めのうちはとまどっていた方たちも、何度か繰り返して同じ作業を試してみるうちに、だんだん要領がつかめてきて、不安そうな表情が満足そうな表情に変わり、プラスアルファで自分なりの工夫をしてみたりする様子を見ていると、子どもたちと動画制作を一緒にやった時と同じような嬉しさを私自身感じました。

安心・安全の欲求から、楽しみの欲求まで
NPO法人dattochi homeは、元々任意だった活動がいくつか合併するような形で誕生しました。
ひとつは「dattochiみんなの食堂」
これから始動する「つばめ塾キッズ」(つばめ塾と連携しての無料塾です)
そしてファミリーフェスの「みんなのキャンバス」
そこに、ここの夢五房での拠点も加わり、さらには八王子市川口にある畑で野菜を育てフードバンクに寄付をしたり、その畑で農×食×外遊び などの活動も予定しています。
活動の種類が多いのですが、
中心にある想いというのは同じで、
生きていくことに希望を感じてほしい、「ありがとう」を循環させたい。
そのような想いがあります。
生活困窮者だけでなく、ワンオペでもうヘトヘトだとか孤食だとかの、何らかの孤独を感じている方たち皆に配るお弁当や、経済的な理由で進学をあきらめないようにしてもらうための無料塾は、安心や安全を感じてもらう活動、
一方でファミリーフェスや、この動画講座、畑でのイベントなどは楽しみの要素が強い活動となっていて、
色々なタッチポイントを持って出会いの点と点をつなげ、それが線となり面となっていくような広がりを作っていけたらと思っています。
例えば、普段経済的な理由で勉強の支援を受けている子が、畑のイベントでは経営者と出会ったり、係を担ったり。
社会に出るのに不安があって前に一歩踏み出せずにいる子が、動画編集を覚えて誰かの役に立ったり。
まだまだ妄想の域を出ませんが、このNPOが持っている「ハコ」を上手く使って、
助けっぱなし、助けられっぱなしだけでない関係を作っていって、
ありがとうと言ったり、言われたりするような緩やかな輪ができて、様々な生き方をしている大人との出会いを時に持ちながら、
「生きていくって悪くないな」と感じる人達がひとりでも多く増えてくれたらと思っています。
法人のビジョン・ミッションに関しては、詳しくは、こちらでもご案内しています。
ご当地youtuber中野智行さん ありがとうございました!!

「夢五房」は八王子駅から伸びるユーロード商店街を抜け、国道20号線に面した通りにあります。
土曜日の昼下がり、PCを開いての講座はとても目を引いたようで、沢山の方が足を止めてのぞきこんでいかれました(笑)

youtube講座が街の応援を受けて開催される街、八王子。…なかなか素敵なのではないでしょうか?^^
このような余り例を見ない取り組みをさせて頂いていることをありがたく思っています。

夢五房の活動を紹介させてください 駄菓子屋さんも始めました

平日小学生の帰り道でもあるので、子ども食堂のメンバーが中心となり駄菓子屋さんも始めました。
といってもお金は必要なく、じゃんけんをしてからコインを渡し、好きなお菓子を3つほど取ってもらうようなスタイルです。
オセロなどのゲームも用意していて、放課後子ども達が遊びに来られる地域の場としても機能できたらと思っています。
まだまだ始まったばかりで試行錯誤中ですが、1月は餃子の王将様の提供によるお弁当配布なども行わせて頂きました。


たくさんの方のご寄付で、この活動は支えられています
NPO法人dattochi homeは、令和3年にスタートいたしました。
まだまだ整っていない部分ばかりですが、これからも色々な人達と協力しあいながら、自分たちのやれることをやっていきたいと思っています!
ボランティアでお手伝い頂けるかた
ご寄付で応援頂けるかた
どちらも大歓迎です。よろしくお願いいたします!
開催報告:青井夕美 (NPO法人dattochi home 事務局長)